『暗殺教室』第164話 混乱の時間、もしくは、世界の中心にある教室へ

よかった。
殺せんせーも律ちゃんも卒業アルバム用の写真も旧校舎も無事だった。
殺せんせーの片腕(?)はやられちゃったけど。

律ちゃんは本体と連絡がつかなくても稼働できるんだな。
自分をあちこちのサーバに分散して置いてるのかな。

それにしても、触手生物のみを溶かす兵器、ってすごいな。
これなら、政府は触手生物以外に被害を与えないように必死に努力した、とアピールできるしな。

殺せんせーが音もなく光速で降ってくるレーザーをかわすことができたのは、「死神」としての勘が働いた、ということなんかな。


「地の盾」で殺せんせーを閉じ込め、「天の矛」で攻撃するか……。

政府側は絶対に失敗しないプランをたててきたし、実際、失敗できない。
だから、殺せんせーの存在をもはや隠さない。
てゆーか、これだけのおおごとを仕掛けたんだから、それを説明できるだけのネタを提供しなければならないわけで、殺せんせーの存在を公開することは必要不可欠とも考えられる。

そして、殺せんせーだけを悪者に仕立て上げなければ、自分たちの正当性を示せない。

そういう道理を、E組のみんなは理解していると思う。

でも、みんなは「正しさ」を蹴り飛ばして、旧校舎へ、殺せんせーの元に走り出した。
世界が求める「正しさ」よりも、自分たちの「このまま殺せんせーと別れるのはイヤだ」という想いを優先させた。

その行動は混乱をもたらすだけだろうし、そもそも、殺せんせーに会えるかどうかもわからない。
でも、E組のみんなにしてみれば、卒業式までは殺せんせーは自分たちの先生であるべきで、それを邪魔されることなんか、絶対に許容できないんだろうなあ、と思う。


旧校舎はE組の生徒たちにとって、「世界の中心」だった。
そして、今や、世界中の注目を集める場所になっている。

その「世界の中心」で、E組のみんなは何をしたいんだろうか。

殺せんせーに会って、「ありがとう」と「さようなら」を言えれば満足するのか。
「天の矛」に消される前に、いっそ自分たちが殺せんせーを殺したいのか。
世界を敵に回してでも、殺せんせーを生き延びさせたいのか。

今のE組の生徒たちにそんなことを考える余裕はないんだろうけど。


ところで、シロと「死神(弟子)」はどうしてるんだろうね。
ホウジョウと共同戦線を組む展開にはなりそうもない感じなんだけどなあ。