『ワールドトリガー』第197話「B級中位最終戦」 感想(普通ではない組織の普通の子供)

センターカラー表紙は那須隊が制服姿で勢ぞろい。
那須さんはお嬢様学校だから、小南ちゃんと同じ制服。
熊ちゃんと小夜子ちゃんは同じ普通校でセーラー服。
茜ちゃんは中学校でブレザー。
これ、茜ちゃんの卒業式に、那須隊が制服のままで集まって、那須さんが自撮りしたってことなんだろうな。
茜ちゃん号泣してそうなイメージだったけど、この時点ではもういろいろと吹っ切れて、最後まで先輩たちと笑っていたい、って思ってたのかな、とかいろいろ妄想してしまう。


B級中位最終戦は、香取隊+諏訪隊+那須隊。
実況は綾辻ちゃん、解説は鋼くんと奈良坂。
熊ちゃん、笹森、三浦と、各隊ひとりずつ落ちてふたりずつ残ってる、という状況か。
諏訪隊2点、那須隊1点、香取隊0点と、諏訪隊がリード中。

香取隊は、前シーズン上位で終わったから、中位に落ちるのはイヤだろうし、那須隊は過去最高位を目指してるから、負けたくないだろう。
諏訪さんはあんまり上位にあがりたがってるイメージないな。なんとなく。
でも、試合には負けるのはおもしろくないって考えてそう。
あと、笹森のがんばりに目に見える形で応えたい気持ちはあるんじゃないかな。

上位戦と同じ時間にはじまったのなら、ずいぶんと時間かかってるな、と思ったけど、上位戦はヒュースの初期配置が悲惨だったせいか、膠着状態がほとんどなくハイペースで試合が進んだのかもしれない。


上位入りするには31ポイント以上必要だけど、香取隊と那須隊はあと4ポイント、諏訪隊は3ポイント必要。
落とせる駒は各隊とも最大4ポイントなので、これは生存点なしで取れる数字じゃないよね。

現時点での総合得点表が出た時、鋼くんが上を向いてちょっと難しい顔してるのは、鈴鳴の上位入りが完全に消えてるからだろうな。
来馬先輩とがんばって新戦術つくったのに、上位に届かなかったな、と思ったら、そりゃ浮かない顔にもなる。
自分の努力がまだ足りてない、とか考えちゃいそうだよ、鋼くんは。

てか、二宮隊と景浦隊の存在がB級の重しになりすぎてない?
弱くなって落とされたわけじゃない元A級がふたつも席を乗っ取ってるって、壁が厚すぎるだろ。


試合前、あいかわらずもめていた香取隊。
本当に葉子ちゃんと若村はよく衝突するな。
これ、華さんが口出してくればうまくまとまりそうな気がするんだけど、華さんは自分から変わろうとしなければ意味がないから口出しはしない、って決めてそうな気がするんだよね。
それで、三浦くんはおろおろするだけという。

「次は勝手な動きはしない。全部あんたの命令通りに動く」
この葉子ちゃんの発言は、若村の言葉にキレて丸投げした、とも受け取れるけど、表情からしてかなり本気っぽいというか、葉子ちゃんなりに今のままではうまくいかないという危機感を持ってて、それをなんとかしたいから、これまでやってなかったことをやってみるか、って感じなんじゃないかな。

葉子ちゃんには、戦闘に対するセンスがあるというか、勘がいいんだろうなって思う。
勘で動いてるだけでもそこそこ強くなれたので、「どれが『適当』でどれが『適当じゃない』のか」がわからない。
多分、一種の天才枠。
でも、ボーダーには天才枠が何人もいて、そういう人たちが工夫と訓練を重ねているから、勘だけを頼りにやってきた葉子ちゃんのままでは、これより上には行けない。


「なんで香取は前にでねーんだ? 『攻め』がてめえの持ち味だろーが」ってセリフに、諏訪さんの面倒見の良さを感じる。
諏訪さん、自分が強くなることより、後輩たちが強くなっていくことを願っていそうだよね。
自分は後輩たちの盾でいい、って思ってるんじゃないかな。


いきなり指揮をまかされてる若村が……つらい……めっちゃつらい……。
これをやらせてる葉子ちゃんに、悪気がまったくないのもつらい。
一番つらいのは、葉子ちゃんのやり方を責めたわりに、同じ立場に立たされたらパニクってる若村には、逃げ場がないってことだよね。
いや、少しずつ慣らされていくのならともかく、いきなりやらされたらそりゃそうなるだろ。

ボーダーのA級やB級上位の隊長たちは、あの年齢にはあるまじき判断力と決断力だからね。
オサムもかなりな突然変異種だからね!
A級になると隊員でもおそろしくハイレベルだからね。
犬飼とか隊長だってやれるレベルだと思うよ。二宮さんの元から離れるつもりはないだろうけど。

あの連中と同じ土俵に立たされるのキツイ。
絶対、若村の方が普通!
でも、香取隊が上に行くためには、いつまでも普通ではいられないってことなんだよね。

しかし、まんまと那須さんの罠にはめられて、ベイルアウトしてショックのあまり言葉も出ない若村に、「ちょっと! 麓郎! このあとどうすんの!?」「おい! 麓郎!」って指示を求めてる葉子ちゃん、容赦なさすぎ。
葉子ちゃんにしてみれば、若村の思い通りに動いてやるって言ってんのに、指示さえ出さないとかどういうことだよ! ってなるのも当然ではあるけど。

で、結局、勝手にやるしかないか、ってなった葉子ちゃんに、華さんが口出ししてきて、おおっ、ってなった。
華さんも、ここで元に戻っちゃったら、誰のためにもならないと思ったんだろうな。

ここでスパイダーが出るとは!
葉子ちゃん的にはめっちゃ不服そうだけど。
若村の提案で入れたスパイダーが活躍すれば、若村もちょっとは救われるだろうし。


ところで今回、一部、下描きだったんだけど、公式Twitterさんが事前予告をしてくださっていたおかげで、「レアなものを見れた」くらいの余裕があってよかった。
あれ、知らなかったらめっちゃ心配してたと思う。

一話掲載でも休載でもよいので!
この物語が完全に止まりさえしなければなんでもよいので!
芦原先生はがんばりすぎないでください。お願いします。