『呪術廻戦』(第136話 渋谷事変・53) 感想(虎杖の兄と伏黒の姉)

人類が次に目指すべきステージ。
九十九さんは「呪力からの“脱却”」と言い、偽夏油は「呪力の“最適化”」と言う。
呪いを失くす方向に動くべきか、呪いをよりよい形で利用する方向に動くべきか、というお話なのかな。

偽夏油が提唱する最適化プランの難点は、日本しか最適化できないこと、か。
日本だけが特殊になって、それでその先、この世界の中で幸せになれるの? って感じかな。
てか、最適化プランには天元様の結界が必要不可欠って、その天元様がどうにかなったらどうすんの。

「呪力」を「エネルギー」としてみると、最低限、人間が生き延びることができるだけの環境があれば、資源が無尽蔵にわいてくるってことか。
ひどいことすればするほど呪いは強まるはずだから、これは倫理を無視すればとんでもなく効率がいいな。
人力発電……こわい……。

日本で呪術師や呪霊の発生がやたら多いのはなんでだろうね。
天元様の結界の影響なのかな。


九十九さんは呪術師がもっと幸せに生きていける世界を求めている。
そのためには、呪術師が呪力を失えばいい、と思っているけれど、現状、呪霊がいるからそれに対抗するものとしての呪術師はどうしても必要。
だから、呪術師と呪霊の両方が同時に呪力を失う、という状態にもっていけないものかと考えている。
それが脱却プランということかな、と思った。

でも、偽夏油は人々が幸せになることを目指していない。
ただ、人間の可能性の果てが見たい。
なるほど、九相図は可能性を追求する過程で生み出されたものか。
九相図の母と、九相図兄弟にしてみれば、とんでもない話だな。


「千人の虎杖悠仁が悪意を持って放たれたとでも思ってくれ」
なんか、突然、どでかい話になったぞ。
いや、これまでも十分にどでかい話ではあったんだが。

虎杖みたいに呪物をとりこんだ者と、吉野くんみたいに呪術師の素質がありながら呪力を使えなかったけど使えるように改造された者が千人か。
偽夏油、働き者すぎるだろ。

津美紀さんの昏睡は偽夏油が原因か。
どうしよう、伏黒が幸せになれるビジョンがどうしても思い浮かばない。
伏黒が津美紀さんを殺さなければいけないとこに追い詰められるとか、伏黒をかばって虎杖が津美紀さんにとどめをさすとか、そういう不穏な想像しかできない。


そういえば、この渋谷事変が片付いたら、虎杖が高専に処刑される流れになるんでは、と思ってたんだけど、そんな余裕なさそうだな。
ただでさえ人材不足の高専が「千人の虎杖」を相手にするのに、虎杖という戦力をはずすということは考えにくい。
なにせ、最高戦力の五条先生が封印されちゃってるもんなあ。
そういう状況だからこそ、虎杖という不安を先に始末する、という判断もあるだろうけど。
まあ、そもそも脹相兄ちゃんがおとなしく虎杖を殺させるわけがないけどな。


脹相兄ちゃんの血って毒が混じってるのか。
そういえば、弟たちもそうだったな。
ますます、加茂との能力差がっ。


「葵と銃の子、あとスーツの子」ってのは、東堂、真依さん、三輪ちゃんってことかな。
ひとまず無事でよかった。
三輪ちゃんに何かあったらメカ丸が浮かばれない。
まあ、ここで生き延びても……感は否めないが。


最後のページで、虎杖をかばう態勢の脹相兄ちゃんがかっこよかった。
脹相兄ちゃんも、虎杖をかばって死ぬビジョンしか思い浮かばない。
そうなったら、脹相兄ちゃん、めっちゃ満足気な顔で死にそう。



ところでアニメの方はパンダVSメカ丸だった。
メカ丸、アニメ映えがすごいな!
パンダ先輩もかなりなもんだけど。

おまけの『じゅじゅさんぽ』で女性陣に使われてても、頼りにされてるんならいっか、ってなるメカ丸かわいい。
確かに、東堂や加茂が敬遠されてる様子をみれば、あれよりは良い扱い、ってなるよな。
それに、普通になることを切望しているメカ丸にとって、普通の高校生の男子と女子って感じの距離感で接してもらえるのうれしいんじゃないかな。