『逃げ上手の若君』(第1話 滅亡1333) 感想

松井せんせーがついに『週刊少年ジャンプ』に戻ってこられましたよ!

予告からして時代物っぽい。でも、予告詐欺の可能性も……とか思ってたんだけど、がっつり史実ものだった……。
しかも、鎌倉幕府滅亡からはじまるって、めっちゃニッチな時代を選んだもんだな。


ところで日本史に弱いもので「北条時行」を知らなかった。
でも、織田から徳川あたりの武将はちょっと詳しいよ。主に『境界線上のホライゾン』知識だけど。


でもさすがに足利高氏は知ってる。
なんというか、『魔人探偵脳噛ネウロ』に犯人役で出てきそうな人だな。
実際、この漫画では足利高氏が敵役になるんだろうけど。

とか思ってたら「頼もしく思います。高氏殿」ってところの時行がおそろしくかわいい!
なにこのあざとかわいい子はっ。
そして「おい、こら、死んだらどうする」って諏訪頼重につかまってる絵が、なんというか、なまめかしい。

いやいやいや、これで8歳ってどういうことよ。


国のトップになっていたかもしれなかった子供が、8歳にしてすべてを失い、命を狙われ逃げる立場になった。
けれど時行は絶望していない。
悲しんではいるけれど、失ったものを惜しんではいないように思える。
こんな状況なのに、時行は生きる喜びにあふれているようにみえる。

「生きる悦びにときめいてしまった」
きっと時行はこのときめきを得るために生きることにしがみつき、逃げ続けるのだろうな。


『暗殺教室』は殺す側の子供たちの物語だったけれど、『逃げ上手の若君』は殺される側の子供のお話なんだね。

ものすごく残酷で重々しい物語のはじまりなのに、なぜか軽快さを感じる。
題材的にはめっちゃむずかしいものを描いてるはずなんだけど、小難しさを感じない。
これは『暗殺教室』の時にも感じたことだな。

ああ、松井せんせーが戻ってきたよ!