『逃げ上手の若君』(第178話 信濃へ。1338) 感想

突如あらわれた香坂が抱いているのは、南朝への忠義ではなく、一か八かの大出世への野望。
「大博打」という言葉に反応する玄蕃は良いよね。
まあ、忠義よりも野心の方がわかりやすい、というか、信用できる感はある。

なるほど、時行を通じて南朝の皇子にお近づきになって富と栄誉を得たい、と。
皇族なんて公家でも近付けない人がいるのに、成り金でもつながりが持てる可能性がある、となれば野心ある者が飛びついても不思議はない。
時行は信濃にゆかりのある人物だし、きっと身分にこだわらず話をきいてくれる人だという評判が伝わってるんだろうな。


というわけで、時行軍は一旦解散ということに。
そして、時行たちは伊豆を経由して信濃に。

伊豆では祖母と叔父が健在でいてくれた。
ふたりとも、時行が生きててくれて本当にうれしいんだろうな。
戦に出たんだからいつ死んでもおかしくないもんなあ。
叔父上のおでこに「よかった」って書いてあるのちょっとかわいい。

叔父上はなんか穏やかな感じになった。
毒気が抜けてるというか。

「わしもまだ十年は持つぞ」って言いながら、おでこにちっちゃく「うそ」って書いてあるのがほのぼのする。
なんでおでこに字が浮かぶんだよ、というネタがこう使われるの、うますぎる。

そして、「戦え」ではなく「跳び回れ」と言ってくれるあたり、時行のことをよくわかっている。


頼継はちょっと成長したけど、あいかわらず煽り顔がゲスい。
でも、本当にうれしそうな時行に抱き着かれちゃったら、もうデレるしかないよね。

頼継は父と祖父を失い、諏訪大社の主としての立場を失い、逃亡の日々を過ごした。
まだ8歳の子供が大変だっただろう。
でも、時行を恨んでいないのは、それは祖父・頼重が選択したことだと理解しているからなんだろうと思う。

そして、その頼継を救ったのが小笠原貞宗か……。


もしかして、ここから2年スキップ?
ちょっと成長した時行たちが登場?