『アンデッドアンラック』(No.068 行ってくる) 感想(死なない男が願うこと)

サマー討伐完了でジュイスさんに報告をいれて、労いの言葉をきいて「……どうした。声が弱々しいな」って異変に気づくアンディ。
ジュイスさん、腕ふっとばされてるから元気なはずがないんだけど、それでもニコ以外のメンバーには隠し通すつもりだから、せいいっぱい平静を装ってたと思うんだけど、それでも気づいたのはアンディがすごいんだろうな。

てか、アンディの中のヴィクトルがこの話をきいてたら、ビリー様を殺しに行きそうだな。そして、両方とも死ねないので千日手になる。

「もうこの世には夏が無いのよね」っていうタチアナちゃんの言葉をきいて、シェンが「夏ってなに?」って言い出したのちょっとこわかった。
そうか、否定者じゃなくなったから変化に気づけず、最初っから「夏」がなかったことになってるのか。
これ、「夏の夜の花火」はどうなるの? ただの「気温の高い夜の花火」になるの?
途端に抒情性が薄らぐな(苦笑)。

そうなると中国語の件はどうなるのかな。
否定者以外の人達が「言語統一」が発動した日を境に中国語が認識できなくなったのなら、否定者として持ち越し(?)してた中国語はそのままシェンの中に残ってるの?
否定者がキョンシーになった、というのはシステムの仕様の穴をついたバグみたいなもんなので前例がないかもしれない。


シェンが暑い暑いと騒いでいた気候から、いきなりのブリザード。
「夏」が討伐されたからバランスが崩れて「冬」の勢力が強すぎて一気に寒冷化か。
「春」と「秋」はまだいるので、そこはプラマイゼロになるんだろうね。
でも、クエスト成功して「秋」だけが残るとどうなるの?
「実りの秋」とは言うけれど、それは、他の季節があるからこそだろう。
しばらくは普通に暮らしていけるかもだけど、どこかでバランスが崩れて必ず破綻する。
「四季討伐」がラスト1個前のクエストなのは、ここに置いておかないと「ゲーム」が成り立たないから?
元々、クソゲーにもほどがある、と言われている「神」が仕掛けたゲームだけど、「神殺し」クリア以外はすべて全滅ルートなのね、やっぱり。


それにしても「もう絶対喋んねぇぞ!!」⇒「不真実」発動⇒「喋るぜぇ!!」の流れが美しすぎて笑う。
もっと前からこの手が使えていれば……。


ジュイスさんが「…気にするな、それより何か変化はないか?」ってきいてきたあたりをみると、ジュイスさんはこの可能性に最初っから気づいていたな。
「夏討伐」を途中で抜けてまで「冬」の元に向かってて、何をそんなに急いでいるのか、タチアナちゃんのために一刻も早くビリー様を戻したいのか? って思ってたんだが、できれば、「夏」と「冬」を同時に討伐しておきたかった、ということなのかも。


「お前らは神に遊ばれるだけの玩具だということを忘れるな」
なかなかひどい言いぐさだけど、この言葉に誇張はないんだろうな……。


ジュイスさんと通信して対策を立てながら、風子ちゃんをふところに入れてかばうアンディがかっこええです。
シェンもここぞとばかりにムイちゃんにくっついてるけど、キョンシーって体温あるの? 風よけくらいにはなるかもだけど。
そして、そんなバカップル二組を死んだ目(?)でみてるタチアナちゃん……。


ビリー様がいたのはアララト山か。
アララト山といえば「ノアの方舟」……これはまた意味深な。

この状況では確かに一日ともたずに凍え死ぬ人は出そうだよね。
冬に凍死する人があまりでないのは、その前に準備を整えているからこそ、だもんね。

ジュイスさんは「アポカリプス」も「不運」も渡せないと思っている。
だから、否定者同士の武力衝突で「冬討伐」を強行する腹積もり。

そこにテラーさん登場!
後ろにある穴は空間をつなぐワープ装置的なもの?
こういうものをアンダーがもってたとは、アポカリプスをトップくんにもたせて走り回らせてたの、ジュイスさんナイス判断すぎる。

いや、剣と一緒に置き去りにされたジュイスさんの腕はあのまま氷漬けになるんだろうか、と思ってたら、ここで利用されるとわっ。
このマンガ、本当に無駄がないな(白目)。

目をむいて言葉もでないユニオンの否定者たち。
さすがに一目でそれがジュイスさんの剣とわかったんだね。
ならば、それと一緒にある腕が誰のものかも察しがつく。

すぐにテラー攻撃にうつる、アンディ、シェン、ムイちゃん、トップくん。
この総攻撃をはじくか……。
タチアナちゃんならいけるかもしれないけど、それだと周囲も巻き込んじゃうしな。


「さて…これで常人なら条件は満たすハズ」か。
ジュイスさんとビリー様の会話もあわせると、やっぱりビリー様の能力の発動条件は「信頼されて、それを失うこと」のような気がするな。
しかも、発動したら発動しっぱなしではなく、信頼を取り戻したらまた失ってしまうらしい。

つまりこの能力をフル活用するためには、必ず否定者を裏切らなければいけない?
つらい……つらすぎる……。

「不真実」、「不停止」、「不死」は奪えた。
「不正義」は奪えたけど失った。
「不運」、「不可触」は、信頼を失うことに失敗したから奪えなかった。
「不動」、「不感」、「不壊」そしてニコの能力は、奪わなかったのか奪えなかったのかわからない。

チカラくんはユニオンに入ったばっかりでビリー様との関係が薄いからそもそも信頼関係ができていなかったのかもしれない。
フィルくんには「信じる」という感覚がなさそうな気がする。
一心はビリー様を信じてくれてたのかもしれないな。
ニコはジュイスさんが腕を奪われて戻ってきた時の対応をみるに、信頼を失ってそうだけど、コピーしても運用が大変な類の能力っぽいので、コピーしなかった可能性がありそう。

ていうか、変なタイミングでアンディからの信頼を取り戻したら、死なないはずなのに死んじゃった、という笑えない状況になりそうでこわい。


タチアナちゃんはビリー様の能力を「UNBELIEVABLE-不可信-」だと教えられていたけれど、もしどこかにその否定能力者がいて、ビリー様がそれをコピーしたのなら、ビリー様はその人からの信頼を取り戻すなどあり得ない、と信じていたから運用し続けていたのかな、とか想像して悲しくなった。


「…出雲風子。ボスからの届けものだ」と名指しして、わざわざジュイスさんの腕をみせつけてるあたり、やっぱりビリー様は「不運」を奪おうとしているな。
テラーを差し向けたのは、確実に信用できるのがテラーだけだから?

でも、「不運」を奪えたところでどうやって運用するんだろう。
「不死」とセット、というか、アンディとセットだから無敵っぽくなってるけど、どうにも扱いづらいよ「不運」。
ビリー様が「神」に好意を抱いているのなら、単騎でツッコめば済む話かもしれないけど、さすがにそれはないだろう。

「大量の人死にも好都合。分母(能無し)が死ねば残った分子(否定者)も見つけやすいからな」
テラーはビリー様の意志に沿って、わざわざ風子ちゃんを怒らせるような言い回しをしてるんだろうな。

ところで、人がたくさん死ぬと否定者が見つけやすくなる、ってどういう理屈だ? って一瞬思ったんだけど、「理」の数と否定者の数が常に1対1なら、人間がどれだけ減っても否定者の数は減らないからか。
つまり、毎回、地球が壊される直前、最後まで生き残った人はみんな否定者になってるのね。
まあ、そこまでいったら否定者になったことを嘆く余裕がある人なんていないだろうけど。


ジュイスさん、腕にジョイントっぽいものをつけられてるけど、義手をつけようとしてたのかな。
腕を取り戻せたのなら、あれをつけられるのかな。
はずれてまだ数時間、それも寒冷地にあったのなら、できそうな気がするが。


「私がアンダーに行ったら、ウィンターをすぐ倒してくれますか?」
風子ちゃんの覚悟の決まった目が本当にかっこいい。

「今度は私が確かめてきます」
タチアナちゃんのために、ビリー様をユニオンに引き戻したい風子ちゃん。
でもそれだけが理由じゃない。
風子ちゃんはまだビリー様を信じている。
だから、それを確認したいんだろう。

風子ちゃん、ジュイスさんの剣をもっていったけど、剣の扱いを覚えたのかな。
それとも、丸腰で行かないことで、戦う姿勢をみせたのかな。


風子ちゃんの提案に目をみひらいて、その後、ギリッと歯をくいしばっていたアンディ。
風子ちゃんとジュイスさんが会話していた間、一言も言葉を発しなかったアンディ。
あれだけ風子ちゃんを大事にしているアンディが、風子ちゃんを敵地にひとりっきり送り出すことを容認できるわけもない。
風子ちゃんがみていないところでは、うつむいて暗い表情をしていた。

でも、アンディは風子ちゃんを止めなかった。
風子ちゃんには、威勢よく「死ぬなよ!」と声をかけて送り出した。
風子ちゃんの強さを信じて。

死ねないアンディの「死ぬなよ!」は重いな。
本の中のアンディが仲間を失ってひとり生き残り苦しむ姿をみていた風子ちゃんにとっては、なおさらその言葉は重いだろう。

そして、アンディの願いは結局のところ、風子ちゃんに死んで欲しくない、なんだと思う。
多分、そのためならアンディはなんだってするだろう。
ユニオンを裏切ることだって。
でも、それを風子ちゃんが望まないから、アンディは笑って送り出すポーズをつくることしかできないんだろうな。

アンディの心の中のブリザードを思うとツライ……。
それでも、そういうものを押し殺して、風子ちゃんの決断を尊重するとこ、本当にすごい。

アンディが止めようとすれば、みんな必ずアンディに協力してくれると思うんだけど、逆にアンディが無理して笑って送り出すようなこと言うから、みんなも止められないんだろうな。

チカラくんがいつのまにか前髪を結んでるのは、いざとなったらテラーか風子ちゃんを「不動」で止めるつもりだったんだろうな。
アンディが止めなかったからやめたのか、寒さで震えて「不動」を発動できなかったのかはわからんけど。


連載初回から、ほぼほぼ一緒にいたアンディと風子ちゃん。
ロンギングの件で風子ちゃんが寝ていた間も、アンディはずっとそばにいたようだし。
ふたりがはなればなれになる展開はどこかでくるんだろうな、とは思っていたけど……やっぱり取り残される形になったアンディがかわいそすぎる。

風子ちゃんを人質に差し出すみたいな形にしてしまったジュイスさんもつらいだろうな。


アンディたちはこれからどうするのかな。
一旦、基地に戻るのか、スプリング討伐に向かうのか、アララト山に向かうのか。


そういえば、ジュイスさんが治療されているベッドの横で、ニコの浮き球(?)の上に座っていたフィルくんが、次のコマでは球にしがみついてたのがなにげにおもしろかった。
何やってるの、フィルくん。

そういえば、一心以外の円卓の否定者が勢ぞろいだったよ、今回。
一心は何をやってるのかな……。