『呪術廻戦』(第165話 東京第1結界・5) 感想(渋谷事変池袋裁判)

日車はあらゆる難関試験をストレートで通過してきた「天才」だった。
旧司法試験は本当に難しかったと聞くよねえ。
でも、日車にとっては簡単な「作業」だったわけだ。

日車がお金に頓着なかったのは、めっちゃ努力して得たわけではない能力で高い報酬を得ることに、ちょっと違和感があったからなのかもしれない。

そして、日車は勉強以上に呪術師としての才能を持ち合わせていた。
虎杖が訓練で身に着けた能力を、日車はみずからの術式を解明することで身に着けたわけだ。
理屈がわかれば使える理論。

呪霊やプレイヤーに襲われるたびに、データは増えるわけで、経験値があがるごとに呪術師としてのレベルもはねあがるわけだ。
それにしても、12日で1級術師レベルまでいくって、本当に天才だな。
羂索はこうなる可能性をみこしてたのか?

ところで「返り討ち」ということは、日車本人は積極的に狩りをしてるわけじゃないってこと?

術者は術式を剥奪されるとグダグダになるというのは、術式だけを頼りにしていなくても、術式をまったく頼りにしない戦い方は想定してない、ってことかな。


虎杖に課されたペナルティ「没収」は、一時的に術式の使用を不可能にするものだけど、虎杖は術式を持っていないので、術式を練れない、という形で発動した。
これ、宿儺は中でどうなってんのかね。
ペナルティを受けたのは虎杖だから、宿儺は術式を使えるんだろうか。

ところで、真希さんの場合、奪われるものがなんにもないような……。


ただの体術で日車の術式と渡り合えてる虎杖。
水が入ったバスタブを蹴り飛ばせるのはすごいけど、さすがに100tハンマーみたいなのを受け止めるのはヤバい! ってなるよね。実際、どれだけの重さかわかんないけど。

で、この状況で考えて考えて「やり直し」を求めた虎杖えらい!

ジャッジマンは裁判のやり直しを請求されたら、断ることができない。
やり直しをしている間は攻撃を受けることはないから一休みできる。
そして、うまいこと無罪を勝ち取れば、もう攻撃されることはなくなる。

なるほど、日車の術式が無敵すぎるようにみえるから、何かしら抜け道があるはず、ということね。
術式は常にリスクやコストを抱えていて、便利なだけってことはない。
五条先生や宿儺みたいなのは例外だ、ということだ。


ところで「二審」と言いつつ、裁判の対象になる罪が変わってるのどういうことなんですか?
まあ、「二審」って言ったのは虎杖だからな。
虎杖の罪を裁いているのではなく、虎杖本人を裁いている、という術式なんだろう。
司法を模しているけど、司法ではないわけだし。

それにしても、やり直した結果、とんでもないもの出てきちゃったな。
パチンコから渋谷の件にスイッチするとか、落差がありすぎるだろ。
それとも、虎杖にはこの中間になる罪がないのか? ないのかも……。

パチンコの件はなんとかしてしらばっくれようと四苦八苦してたのに、渋谷の件は「ああ、俺が殺した。これは嘘でも否定でもない」って、まっすぐなまなざしで認めるの、ほんとまいる。
そうだよ。虎杖はこういう子だよ。

パチンコの件は、虎杖の中では違法だと知っているけど「悪い事」じゃないんだと思う。
でも、渋谷の件は、なんもかんも宿儺が悪いだろ、って感じなのに、虎杖はやっぱり、自分がやったこと、だと信じているんだ。


虎杖は渋谷の件で裁かれたがってたような気もするな。
でも、伏黒も乙骨も、誰ひとりとして虎杖が悪いとは言ってくれなかった。
まあ、宿儺だけは言ってたような気がするけど。

だから、案外これは渡りに船だったのかも。
自分の罪を、正式な裁判ではないけれど、正式な弁護士である日車によって裁いてもらえるのなら、虎杖にとってはうれしいことなのかも。

でもなぁ~。なんだかなぁ~。
どうしてこんなんなるかなぁ~。
展開というか作劇としてはこうなるのわかるんだけど、しんどいなぁ~。

どうなったら虎杖が「自分は悪くない。全部、宿儺が悪い」って思えるのか、さっぱりわかんないよ。
こんな虎杖を目にして、伏黒や脹相兄ちゃんはどんだけ歯がゆい思いをしてたんだろうな。