『逃げ上手の若君』(第86話 爆走1335) 感想

今川にかきまわされまくってる戦場。
保科の判断で時行たちは一旦、味方が多い場所まで下がることに。
なんだかんだで保科は有能だな。

時行もさすがにこんな状況では、最前線に残りたい、とは言えないか。


今川の馬の乗り換えがF1のピットインさながらですごい。
「こわれた おかわり」の一言をきっかけに、ザザザザッて動いて、今川を乗り換えさせてる。
鎧を拭く係とか、刺さった矢を引き抜く係とかもめっちゃ訓練されてそう。

今川ひとりを戦場で走らせるために、実質的に戦わない連中をたくさん用意してるようだけど、それでもそうした方が戦果としては効率よさそうだよね。

あと、無理やり動かされたあげくに壊されるお馬さんかわいそう。


吹雪は足利学校の出身。
つまり、本来は北条の敵で、尊氏の味方。
吹雪の能力がやけに高いのは、足利家の役に立つために身につけさせられたからだったんだな。

過酷な鍛錬という名の虐待の日々から抜け出したけれど、それと共に家柄も失いさまよっていたところを、時行に誘われ逃若党に入った、と。
お家のために生きていくことができず、それでも受けた教育を放り出すことができなかったんだな。


吹雪は時行の信頼を失うことが怖かった。
吹雪にとって時行は自分のすべてをかけられる主君だったから、その人に信じてもらえなくなるくらいなら、自分が消えてなくなる方がましなんだろう。
そう考えると、吹雪が時行を「我が君」と呼ぶ気持ちとか、そう呼べなくなってしまうことをおそれる気持ちとか、いろいろ思いを巡らせてしまってせつなくなる。

あと、それをきいて、むっとしてる時行がかわいい。

自分を裁いて欲しいと差し出された刀を、高く放り投げた時行。
「私は 逃げないぞ」のところの表情がめっちゃ興奮してるんだけど、こんな主君で良いのか吹雪、ってなった。

あわてて刀を受け止めはーはーしてる吹雪の顔がかわいい。
いや、信頼を示すにしたって無茶すぎじゃない?
「信じてた」のとことか、前後のコマがなかったら、どういうシチュエーションのコマだよ、ってなる。


「この戦場全ての味方の士気を百倍にしよう! 君なら一瞬でそんな策思いつくよな!」
わくわくと楽しそうに無茶振りしないでください……。

時行は自分の郎党を過大評価しすぎだけど、郎党たちもそれに応えようとしすぎである。