『ワールドトリガー』第227話「遠征選抜試験・24」+第228話「遠征選抜試験・25」 感想(燃えたい女)

オサムが古寺から引き出したかった情報は、「試合の中で最初にユニットがぶつかったターン」のことだった。
これだけだと、なんでそんなことをピンポイントで知りたいのかよくわからない。

スピーカーで双方のチーム全員にやりとりをきかせるけど、香取ちゃんと三浦くんは元のチームが同じだから会話しちゃダメか。
こうやってチームをまたいで情報交換するのはグレーかもしれないけど、どんな形であれ本来のチームメイト同士が連絡をとりあうのは明確に禁止されているからな。


B級ランク戦が三つ巴・四つ巴になってるのは、1対1だと人数が多い方が有利すぎるから。
まあ、それはそうだろうね。
目の前の敵だけに専念できるのなら、数が多い方が有利。
でも三つ巴・四つ巴なら乱戦にもちこめる。
オサムが荒船隊に有利をとらせることで諏訪隊を動かしたように。

そして、この戦闘シミュレーションは1対1で、1ターン目はユニット数が同じだけど、2ターン目からは前回の結果でユニット数に差が出てくる。
つまり、ユニットの性能とかに差があっても、シンプルに数の有利で押されるパターンが出てくる、ということか。
なるほど……。

オサムの指摘に悔しそうにしてる木虎ちゃんがかわいい。
とにかく同じ歳には負けたくないからね。

オサムはそういう仮説をたてたけど、諏訪7番隊だけのデータでは確信が持てなかったので、上位にいる古寺6番隊の情報を欲しがった、というわけか。


ここで、これは自分が得しすぎててちょっとフェアじゃないと思ったのか、もっときいていいよ、って言ってくれる古寺が良い。

宇井ちゃんが知りたがったのは、虫食い状態になってるデータの補完。
ランダムだからシェアしあってコンプリートめざそうぜ! みたいな。


ここで、トリオンの少ないオサムのために情報を引き出そうとする隠岐。めっちゃ賢い。
まあ、基本的に賢い子しかいないけど。

古寺はすぐに察してためらったけど、木虎ちゃんからGOが出た。
なるほど、諏訪さんとこを少し強くしちゃってもいいから、二宮さんとこと水上んとこを削りたいのね。
諏訪7番隊は今のとこ順位が低いからな。
それに、古寺と木虎ちゃんはあくまでトップをめざしてるから、下位からの追い上げに脅えるよりは、上位の追い落としをとるのは納得だ。


シールド使うよりレイガストのシールド機能つかった方がいい、とかなかなかおもしろいな。
リアルとはちょっと違ったパラメータ割り振りをあえてしてるのかも。
そうしたひっかけに気付くか否かもポイントなんじゃないかな。


古寺との取引(?)が終わったと思ったら、今度は歌川が取引を持ち掛けてきた。
諏訪さん「共闘だぁ~?」とか言いながら、心の中ではめっちゃうきうきしてそう。

こちらはユーマが歌川に提案したのか。
ユーマはオサムのことを信頼しすぎてる。
オサムはその信頼に応え続けてきたし。

「おれは心配してないよ オサムと組んだ方が勝てるってだけだね」ってとこのユーマが本当にかわいいなあ。
そして、漆間隊長がなんかなごやかだ。
ユーマとすっかりなかよしさんだ。


オサムの最後のネタは、諏訪7番隊しか使えないネタ。
ユニットがどんどん増えていってるけど、それを分割して分隊をつくる。
それを効率的に動かす指揮スキルをもってる隊長が3人いる諏訪7番隊は有利。

隊長が3人いる、ってのは唐沢さんが指摘してたことだけど、ここで活きてくるとは。


ヘルプユニットに那須さんがいた!
ちょっとだけでも出してもらえてうれしい。


ユニットが増えてさすがにひとりでは無理、ってなった水上がついに隠し事をチームメイトに打ち明けた。
ここでいきなり標準語になったのは、水上的にあらたまった話をする時の礼儀みたいなものなのかもね。

打ち明けられてすぐに、しかたねーな、って感じで戦闘シミュレーションの準備をはじめる荒船と今ちゃんが強い。
ふたりとも水上がなんかやってる、と気づいてはいたからね。

樫尾もわりとすぐに順応した。
王子がよくこの手のことをやらかすらしい。
王子の名前を出されると、樫尾の順応性の高さに納得しかないな。

照屋ちゃんだけが置いてけぼりで納得できてない。
ていうか、照屋ちゃんだけものすごく普通じゃない?
大事な試験で隠し事されてたら、そりゃ怒るよね?

でも、ここで怒るのはダメだ、ってのが真木理佐の判定か。
時間がないのに、自分の感情のために時間を浪費するな、ということ。
あとで「じっくり詰めればいいんだから」って、真木理佐が言うとめっちゃ怖いんですが。
冬島さんと当真がきいたら、ふるえあがりそうなんですが。

風間さんは、水上のやり方で1位をとれてるんだから文句をつけるのはおかしい、って考え。

柿崎さんは丁寧に説明して、しっかりコンセンサスをとるタイプだと思うので、水上のやり方に照屋ちゃんは戸惑うんだろうな。
王子に鍛えられてる樫尾や、水上の性格をよく理解してる同級生の荒船と今ちゃんと違って。


「成績以外に俺から渡せるもんが無い」
「何かしら得して帰ってもらわなあかんやろ」
水上のこの台詞はちょっと驚いた。
あれは隊長としての責任感から出た決断だったのね。

隊長として自分にできるのはそれくらいのものって、水上は自分にできることの範囲をずいぶんと明確に見定めてるんだな、って思った。

水上はずいぶんと生駒さんに夢見てるのかもな。
生駒さんが「渡してくれる」ものを感じてるというか。


水上の気持ちはわかったけど、その判断のしわ寄せを押しつけられてるみたいになってるのはどうなの、と追求する照屋ちゃん。
ここらへん、吹き出しの形がいらだってるな。

「なんでや この面子ならいけるやろ」
この台詞はなかなかにずるいな(苦笑)。
水上としては本音を言ってるだけなんだろうけど。

個人的には、この水上のやり方は臨時部隊なら有効だけど、ずっと続けるつもりのチームではアウトかな、って思う。
水上も、お土産もたせて帰ってもらう前提でやってるけど。


「『頼む』……って言ってください」
ここの頬を染めた照屋ちゃんがかわいすぎてひっくり返った。
しかもその理由が「燃えるから」とは。
いやもうめっちゃ笑った。

あざとい! めっちゃあざとい!
葦原先生、たまにこういうあざといことする!

そういえば、照屋ちゃんは「支えがいがありそう」で柿崎さんを選んだ子だったよ。


ここで照屋ちゃんが「謝ってください」とか言い出してたら、ちょっとネガティブというか、チームの和を乱さないために渋々受け入れます、みたいな感じになっちゃってたよね。
でも「頼ってください」ならめっちゃポジティブだ。
しかも理由が「その方が燃えるから!」だもの。
照屋ちゃん、めんどくさいかもしれないけど、強くてたくましいな!


戦闘シミュレーションがはじまった時から、時限爆弾のように感じていた水上の隠し事問題が、ずいぶんときれいにおさまってびっくりだった。