『逃げ上手の若君』(第119話 利根川1337) 感想

三千の兵と共に神酒を飲み、その盃を地面に叩きつけて、時行軍いざ出陣!

出陣前にお酒を飲んで盃を割る、という話はいろんな国の話で出てくるのおもしろいよなあ、って思う。


失った家族を想って泣く時行が、頼重の烏帽子についてた飾り(?)をみつめる絵で、そうか時行が髪を結ってる紐(?)のデザインは頼重リスペクトなのか! ってなった。
気付かなかった……。

ところで、お酒でへにょんってなった時行の絵がかわいすぎじゃないですか?
この絵だけ抜き出してTシャツをつくって欲しい。


合戦の地・利根川ではすでに顕家と斯波がにらみ合いをしている。
顕家はどこにいてもキラッキラですね。

顕家が率いるのは超コワモテな奥州武士たち。
そんな連中が「このゴミ共!」と罵倒されて「おうっ!」と応じるのおもしろい。
ページの上部分のコマの顕家と、下部分のコマの奥州武士たちの絵の対比もおもしろいな。

「体を洗え!!」
「嫌でござる!」
「洗えぇ!」
「絶対に嫌でござる!」
のコーレス(?)もなかなかに意味不明なんだけど、めっちゃおもしろい。
なんか女王様とガラの悪いファン達にみえてきた。

あと「御ぶちのめせ!!」って日本語、はじめてみた。
顕家が登場してからというもの「御」のバリエーションが増え続けているよ。


顕家はキラッキラで傲慢な公家だけど、ちゃんとみんなと一緒に川を渡るんだよ。
かなり厳しめな言葉をぶつけるけど、まっすぐに武士たちをみつめるんだよ。
こんな感じで、顕家はド直球で奥州武士たちとぶつかり、その忠誠を得たんだろうな。


一方、斯波が率いる足利軍はとても整然とした印象。
斯波は細かいところも手を抜かず、きっちり積み上げていくタイプかな、と感じる。

でも、その冷静沈着な斯波を感情的にさせる、仲間たちの仇・時行。
行き場を失っていた復讐心がターゲットをみつけた。
それが吉と出るか凶と出るか。