『アンデッドアンラック』(No.063 私の大好きな) 感想(大好きな妹と大好きな彼女)

掲載位置がめっちゃ低くてビビる。


腹を貫かれて倒れたシェン。
ファンの方を向いたままのアンディ。
今きっと、風子ちゃんに見せたくない顔になってる。
そしてすぐさまファンに反撃。

肩を脱臼させられて反撃できなかった反省からか、今度は骨を武器にしてきたか。
あいかわらず頭の回転がはやいな、アンディ。

ところで、弾丸って足の指で受け止められるもんなんですか?
これ、否定能力ではないんだろうから、人間離れが過ぎるだろ、ファン。

でも、すぐに気を取り直して攻撃に加わってきた風子ちゃん、かっこええな。
めっちゃ覚悟の決まった目をしてて。
本当にたくましくなった。


一方、シェンは目がいっちゃってる。
これはアブナイやつ。
性格的にではなく、生死的な意味で。

ここでメイちゃん登場。
これって走馬灯的なあれなのかな。

幼い頃の姿になって、服もふたりっきりで生活してた頃のぼろぼろのやつになって、メイちゃんに泣きすがるシェン。
メイちゃんを殺したのは、どう考えてもファンなんだが、シェンはやっぱり、自分が殺した、という思いにとりつかれている。

一方、メイちゃんはメイちゃんで、自分のせいで兄は自由に生きることができない、と思ってたんだろうな。
そして、自分も強くなれば、兄も安心して、自分自身のことだけを考えてくれるんじゃないかと考えた。
そこをファンに悟られ、そそのかされ、シェンと競うことになったわけか。

「まー私が思ってた以上に才能あったのがね!!」のとこのメイちゃん、めっちゃかわええ。
なんか、シェンに守られ、縮こまってるおとなしい子、という印象があったんだけど、実際はこういうおおらかな性格の子だったのかな。
あの過酷な環境の中で、兄に守られて生きるしかなかったから、弱々しい印象になってただけで。

そして、崖から落ちそうになったメイちゃんの手を必死に握っていたシェンの手は、メイちゃんに否定された。
「不真実」の力によって。
本当に最悪なタイミングでよくも否定者にできるもんだな。
風子ちゃんも、チカラくんも、タチアナちゃんも、いまだ経緯が語られてない連中もきっとみんなそう。
「神」ってのはどっかでモニタリングでもしてるんかね。



「俺もそっちへ行くよ」って言うシェンに、食い気味で「ダメだよ」って言ったメイちゃん。
これはシェンの生存フラグと考えていいのかな。
いいよね!


それにしても、メイちゃんを蹴り飛ばして崖から落とし、おそらくは怒りで我を忘れた状態で挑んできたシェンを返り討ちにし、大笑いで去っていくファンのゲスっぷりがすごい!
ここまでくるとすがすがしいほどだ。
このマンガ、なんだかんだで否定者はみな、重いものを背負ってる「神」の被害者だ、みたいな感じになってるんだけど、ファンだけは毛色が違うな。


妹を失い、ただ強くなることを求めて放浪し、その果てにジュイスさんに敗れ、ユニオンに入ったシェン。
やっぱりジュイスさんの方が強いのね。

この頃のシェンには、人をはかる基準が強いか弱いかしかなかった。
円卓には強い人がたくさんいるし、強い敵と出会えるから、シェンにとっては居心地のいい場所だったのかもしれない。


ムイちゃんには弟がいたんだな。
やたらめんどうみのいいムイちゃんだから、めっちゃ弟を大事にしてたんだろうな。
弟を失って泣くムイちゃんの姿に、シェンは妹を失った自分の姿を重ねたか……。

出会った時はムイちゃんと目を合わせてたのに、途中から常に目をそらしてるのが、ああ、好きになっちゃったんだな、と。
あと、最初の頃は今のトップくんみたいにユニオンのネクタイを腕に巻いてたのに、途中からムイちゃんが結んでくれるようになったの萌える!
ムイちゃんの方からも、どんどん遠慮が消えていったんだろうな、って感じがして。

ていうか、あんなやさぐれた状態から、あのアンディもあきれる罰ゲームをやる関係になるとか……ムイちゃんの癒しパワーすごいな。

「ねえ、ムイちゃんの事好きなの?」「恋ってどんな感じ?」と問われて頬を染めるシェンがかわええです。
こんな普通にかわいいシェンの表情はめずらしいな。


メイちゃんに「お兄ちゃんは私の分まで幸せにならなきゃなんだから」って言われても、「でも…」ってグズってるシェン。
死んでるメイちゃんよりも、生きてるムイちゃんを大事にしろ、と言われても、死んでるメイちゃんを追いかけたい気持ちをおさえられない。
でも、メイちゃんはそんなシェンを笑って突き放す。
まだ、こちらに来るのは早い、と。


ところで、シェンが目を見て「ボクを…殺してくれるかい?」って言ったら、ムイちゃんの気持ちは当然、それを否定するし、「不真実」はその気持ちを当然、否定する。
ムイちゃんがとどめをさしちゃうの、ほぼ確定じゃない?
このまま死んじゃったらファンのキョンシーになっちゃう可能性があるので、それよりはマシだろうけど。

メイちゃんが「まだ手はあるよ」と言ってるからには、そのための布石だろうとは思うんだけど、それにしたってムイちゃんがかわいそすぎない?

でも、前回のラストほどは絶望感なくて助かる……。
そして、今回もファンは終始、楽しそうだった。


ところで、公式Twitterさんの方では、またもや謝罪会見が行われていた。
今度はアンディではなく編集の本田さんが謝罪してらっしゃいます。
そうか……海苔をうっかり写植で隠しちゃったか……。

謝罪会見マンガでいつもノリノリなリップと、めっちゃなかよしさんな風子ちゃんとバニーちゃんが楽しいので、ホクホクです。

あと、原稿の途中コピーとかいうレアものみれて、お得感がすごい。
アンディとファンのセリフが、「死ね」「言葉で俺は死なん」から「くたばれ」「やってみろ」に変更はいってるの興味深い。
セリフがコンパクトになってスピード感が増してる。
こうやって、ギリギリまで粘って、ちょっとでも良いものを、とがんばってくださっている戸塚先生と本田さんには感謝しかありません。