『アンデッドアンラック』(No.064 今の僕が) 感想(死んでもキミを守らせて)

前号に引き続き掲載位置がめっちゃ低くてビビりまくってる。


ムイちゃんに「ボクを殺してくれるかい」と頼み、アンディに「ファンの懐にある数珠型のアーティファクトを奪って下さい」と頼むシェン。
そうか……ムイちゃんのキョンシーになるルートを選ぶか……。

ロウをみる限り、キョンシーになっても自我と記憶は残るっぽいから、シェンにしてみれば、主人がムイちゃんなら無問題って感じなんだろうな。
シェンはロウの言葉をきいたから、キョンシーに自我はある、ってわかってるけど、それを知らないムイちゃんにしてみれば、キョンシーは自我のない戦闘兵にしかみえない。
それにそもそも、シェンが死ぬこと自体、受け入れられないよね。

あの「命」って書かれた袋に入ってたの、ムイちゃんの命を糧に作った回復用アーティファクトか。
それ、絶対、飲んだらムイちゃんに何かがはね返る系のやつでしょ。
それとも、つくった時点ですでに何かダメージ喰らってんのかな。

ムイちゃんの丸薬を飲めば、という提案に対する答えが、消化できないから無理、なのはちょっと笑った。
そうだね。胃腸がつぶれてそうだよね。
いや、ここでそんな物理的な返答されても……と思ったんだけど、ムイちゃんをあきらめさせるには申し分ない答えだな。

ムーブで基地に戻ってニコに治してもらう案は、「ムーブは気まぐれだ。まず言う事を聞かないよ」で却下。
めっちゃジュイスさんの命令に従ってるけど、あれはジュイスさんだからなのか。

こんなギリギリの会話、もしかしたら最期の会話の間も、シェンはムイちゃんと目を合わせることができない。
ギリギリの決断をせまっているからこそ、ムイちゃんの「真実」を否定するわけにはいかないんだよね……ツライ……。


ムイちゃんはめちゃくちゃシェンを助けてたと思うんだけど、ムイちゃんにしてみれば「迷惑ばかりかけて…何一つ…何一つもお返しできてない」ということになってるのか。
ムイちゃん謙虚すぎて、受けた恩が大きすぎて、どうがんばっても、まだ足りない、になっちゃうんだろうな。

「不真実」の発動条件を、闘いたいと思えるような強者を見る、だと思っていたらしいムイちゃん。
それだと、ムイちゃんになんで効くの、ってなっちゃわない?
そこらへんムイちゃんも謎に思ってたけど、それ以外に思い当たるふしがない、って感じだったのかな。


シェンの世界には「ボク」「殺された妹」「妹を殺した男」の3つのルールしかなかった。
そこにムイちゃんが加わって世界が広がった。
ということは、ユニオンに入っても、シェンの世界は広がらなかったのね。
ジュイスさんとかジーナさんは、結構、シェンをかまったんじゃないかな、と想像してるんだけど。

シェンはムイちゃんを経由して、少しずつ世界を広げていったのかもな……。


「不真実」にひっかかって、ムイちゃんがシェンにあ~んしてあげようとしたとこかわいい。
これ、シェンに食べさせてあげたいけどさすがに恥ずかしいからやめておこう、って気持ちを「否定」されたのかな、って妄想している。
てか、食卓の食事、多すぎじゃない?
二人分でこれはつくりすぎだろ。


「不真実の発動条件はね…その人を好きになる事」
って、めっちゃいい告白シーンなのに、その背後でビルが爆発し、ふっとんでるアンディとファンがちっちゃく描かれてるの笑った。
いやあ、おっきな雲が夏っぽくって良いですねえ。


「強い弱いに関係なく、初めて好きになったキミを、もう少し守らせてほしいんだ」
前回、メイちゃんに「他の人達を強いか弱いかでしか見れなくなっちゃった」って言われてたシェン。
そのシェンが「強い弱いに関係なく」って言ってるのが最高だな、って思う。

ムイちゃんを守る、というのはシェンの意志だ。
だから、キョンシーになって、もしも自我が消え失せても、ムイちゃんを守る行動をとっているのなら、それはシェンの「真実」に違いないんだ。
そう納得できたから、ムイちゃんはシェンの願いに従おうと決意したんだろうな。


ムイちゃんがシェンを刺す時、シェンが受け入れるようなポーズをとって、目をつぶってるのが本当に良いです。
これが、シェンの「不真実」の結果だったら、いろいろとだいなしだった。

「この命尽きるまで、お慕い申しております」
あくまで主従の立場を崩さず、「初めて好きになったキミ」という告白に応えているなあ、と思えるこのセリフが良いんですよ。本当に良いんですよ。


アンディ、おもいっきしファンにやられちゃってるけど、笑ってる。
シェンのこと信じてるんだろうね。

そして、アンディとシェン、ふたりがかりで止められなかった龍炎武を、足で止めたキョンシー・シェン。
なんかめっちゃさわやかになってない?
えっ、普通にかっこよくなってない?
いや、これまでもかっこよくはあったけど……。


キョンシー・シェンのおでこに「死壹」って貼ってあるけど、その前にファンが使役していたキョンシーたちはどうなったのかな。
主人交代により解放されたのならいいんだけど。

そういえば、この場合「不真実」の否定能力はどうなるんだろうね。
能力が魂に紐づいているのなら、そのまま保持している可能性もあるけど。
もし「不真実」を失っているのなら、ユニオンのNo.2の穴を埋めなきゃいけなくなるんだけど……アンダーが埋める展開になるのかな……。
あとユニオンのみんなが今のシェンの姿にどういう反応を示すのかも気になる。案外、前とたいして変わらない、ですませられるかもしれん。


シェンに生き延びてもらって、「神」を倒して、ムイちゃんといちゃいちゃな結婚生活をおくってもらいたかった。
それは叶わなかったけれど、シェンとムイちゃんが離れずにすむルートに着地したことにホッとした。
シェンが死ぬルートも覚悟してたから、それよりは格段にマシだろ、と自分を納得させている。

なによりも、シェンがちゃんと言葉を尽くして、ムイちゃんを納得させてくれたのが良かったと思う。
こうするしか仕方なかった、というのは事実だけれど、それでも「不真実」を使うとか主人命令で従わせる、とかいう手段をシェンがとっていたら、なんかもやもやしていただろうな、と思うから。


ところで、アンディと風子ちゃん、なんかいつの間にかファンから「死亡遊戯」奪ってたよ。
ファンがいつの間にか上裸になってるから、懐自体をふっとばして、こぼれ落ちたのを風子ちゃんが拾ってきたんだろうね、これ。
「不運弾」を当てて、アーティファクトコレクターがアーティファクトを失う、という「不運」を発動させたのかもしれん。

あと、ファンがおもいっきり「不死の覚醒の為に不運は死ね」とか言ってるけど、これ多分、テラーに中継してもらってビリー様みてるよね。
ビリー様、どいつもこいつも言う事きかねえ! って怒ってない?
いや、案外、ビリー様よりテラーの方が怒ってるかも。隊長命令無視しやがって! とか。


『ジャンプ』巻末の「『アンデッドアンラック』のシェンはノーパン(担当:本田)」という、誰得情報はなんなんだろう。本編のショックを緩和しようという気遣い?
いや、私も、シェンのコスチュームをみて、これ下着はどうなってんの、って思ってたけどさ……。
なんかこう……本編の展開とか掲載順のこととかとあいまって、感情がよくわかんない感じに乱高下した。


ところで、電子版の方にフルカラー版の7話と8話が公開されてたんだけど、ラストの初登場のジュイスさんの唇が薄いピンクでプルップルだった。
彩色した方グッジョブです!