『呪術廻戦』(第157話 部品) 感想(お願いと取引き)

綺羅羅を取り押さえることに成功した伏黒。
めっちゃ頭がいいうえに、いちかばちかの賭けをやるのに躊躇がないって、本当に隙がないな、伏黒。

そして、綺羅羅を制圧できたのに離れて土下座をする伏黒も良い。
伏黒は津美紀さんを助けるためならなんだってやる。
こんな対応をされたら綺羅羅も「分かったよ」って言うしかなくなるよね。


モニタールームからとびだしてきた虎杖。
秤先輩にふっとばされたか。
でも虎杖は反撃しない。
自分はお願いをしている立場だから、虎杖なりに誠意を示してるんだな。

ところで、殴られてる虎杖みて、痛そう、って感じの顔してる綺羅羅が良いです。


「術師が術師にするお願いは“一緒に命を懸けて下さい”が前提だろーが!!」
術師同士の「お願い」は重いな。
これやってくれたらこれだけ報酬だす、みたいな「取引き」なら話は別なんだろうけど。
でも、秤先輩が「取引きだ」って言ってるから取引きにはなるのかね。
というか、今のところは「取引き」という線引きをしてる、ということだな。多分。


「俺は部品だ。術師が呪いを祓うため、祓い続けるための部品」
このセリフはキツイな。
最近ちょっと虎杖の雰囲気が明るくなったというか、元に戻ってきた印象あったけど、この考えは全然、揺らいでなかったのね。
まあ、当然といえば当然だが。
脹相兄ちゃんも、伏黒も、虎杖のこの考えを払拭できるものを、何も示せてないもんな。


虎杖と伏黒には死滅回游をなんとしてでも止めたい理由がある。
でも、秤先輩と綺羅羅にはそれがないんだよね。
なんなら、この混乱した状況がしばらく続いてくれた方がありがたい、有力な後ろ盾を持たない自分たちが好き勝手に動けるチャンスがきた! ラッキー! とか思ってるかも。
そんな人たちに「命を懸けてください」って言って、聞き入れてもらうのは、ものすごくハードルが高いことだよなあ。

今回、虎杖がそれを越えられたのは、なんだかんだで秤先輩が呪術師としての職業倫理感的なものを捨て去っていなかったから、ということになる。
秤先輩も元々は、自分の特別な能力を使って人助けをすることに、情熱を燃やしてた人だったんだなあ。
そして綺羅羅はそんな秤先輩が好きだった、と。

この決着、綺羅羅は秤先輩の“熱”のツボ(?)的なものがわかるからめっちゃ納得してるけど、伏黒とパンダ先輩にしてみると、なんで突然、秤先輩が怒りをおさめたのかわからんってなるよね。

結果としては、虎杖と秤先輩は相性が良かった、ということになるのかね。
説得役が伏黒だったらどうなってたか、というパターンもみてみたかったな。