『アンデッドアンラック』(No.077 On your mark) 感想(止まらないために止まる)
ユニオンNo.7のトップくんの過去回が77話目というのは狙ったのか、偶然なのか。トップくんのゼッケンが「007」になってるから狙ってそうな気もする。
そしてサブタイトルは「On your mark(位置について)」。競技でスタート直前にかけられる言葉か……。
トップくんはブラジル出身でフルネームはトップ=ブル=スパークス。「ストッパブル」が全部入りした名前なのね。
「1位は4年後のオリンピックに出られる!! かもしれない」と言っていて、アンディと風子ちゃんがユニオン入りしたのは2020年のオリンピックイヤー(現実では延期されたけど)。
なので、トップくんがユニオン入りしたのは2016年? ってなったんだけど、このトップくん、今とあんまり変わってないから、トップくんも2020年加入なんだろうね。
ユニオン歴短いわりに覚悟決まってるな、って思ったけど、最後まで読んでそうなったことに納得いった。
元々、足が速く、陸上競技で成り上がって貧困から抜け出すことを夢見ていたトップくん。
でも、同じ夢を追いかける友達もいるし、やさしくておおらかな母親もいるしで、そんなに不幸な生活だとは感じていなかったんじゃないかな。
でも、母親に豊かな暮らしをさせてあげたい、という想いはあったんだろう
トップくんは自分が稼いだお金で母親だけじゃなく、友達たちも共に救いたいと考えていたけれど、友人たちはそれはダメだという。
自分の金は自分のために使え、と。
本当にいい子たちだなあ。
トップくんの母親も、自分の食費けずってでも息子に良いものを食べさせたい、と考えるいい人。
でも嘘をつききれないとこがかわいいなあ。
ところで「ガレット」といいつつチキンが出てきて、なんで? ってなったんだけど、ガレットってそば粉でつくった薄いピザっぽいやつのことだと思ってたら、ネットで「ブラジル風ローストチキン ガレット」というレシピをみつけ、ほえ~ってなった次第。
自分ちも貧乏ではあるけれど、友達の家庭の方がもっと困窮していると知っているから、走ることで稼げる道を友達に譲ろうとしたトップくん。
母親はそれを「いいよ…それでトップが笑って生きてくれるなら」と容認した。
母親の望みは、息子が笑って生きてくれることだったんだよね。
それがな……。
以前、トップくんが車いすの男の子にすがって泣いてる絵が回想で描かれていて、「不停止」の発動で家族か友達を巻き込んじゃって歩けなくしちゃったのかな、って思ってたんだけど、実際は友達ふたりを死なせて、ひとりは歩けなくさせてたか……。
歩けなくさせた、がまだマシなレベルだったとは……これはひどい。
ジュイスさんとニコが言わなかっただけで、他に巻き込まれた人もいたのかもしれない。
「急にレーンに車が突っ込んできたって…」って、競技場内を車が爆走ってどういう状況だよ、って思うんだけど、子供が走ってぶつかっただけでこんな大惨事に、よりはまだ信ぴょう性があるのは確かだ。
めずらしくニコがちゃんとスーツ着て、普通に立って歩いてる。
まあ、さすがにそれくらいのTPOはわきまえているか。
ニコはなんにも悪くないのに、ペドロとミゲルを救えなかったことを「すまない」と詫びるんだな。
ニコはたまにフィルくんをかまってたりするし、なんだかんだで子供にはやさしい。
大人にもやさしいかもしれない。「不死」には厳しいけど。
「不停止」って、やたら速く走れる、ただし、「体の形状が著しく変化しないと止まる事が許されない」能力ということになっていたんだけど、さらに細かい条件が出てきた。
「一定の速度を出し、止まろうとするとそれを否定し倍以上の力で押し出される」か。
「停止」を否定されることで速く走れるってどういうこと? って思ってたんだけど、そういう理屈か。否定すればするほど止まることが困難になるってことね。
「不停止」は止まろうとすることを否定する。
一定の速度を出さなければ発動しないので、歩くのは問題ない。
ただし、その速度を超えてしまうと、肉体を変形させる(=骨を折る)まで止まれない。
止まろうとするたびに加速が重ねがけされる。
つまり加速はできるけど減速はできない。トップくんの言う「リセット」しか止まる方法がない。
はじめて発動した時はここらへんがわかってないわけだから、わけがわかんないまま止まらなきゃとあせって余計に加速しちゃって大惨事になったんだろうな。
経験したことのない速度で走ったら体勢もコントロールできないだろうし、それでむやみに蛇行して、それがまた余計に犠牲者を増やしたのかもしれん。
ロンギングで風子ちゃんのまわりをぐるぐる走り回ってた時は、止まろうとしなかったから速度を保っていたのね。
この「止まろうとする」は気持ちの問題ではなく「足を止める」というアクションで判定されるのかな。
多分、ニコの元で、どれくらいの速度までなら発動しないか、どういうアクションが「止まろうとした」と判定されるか、みたいなことは調べているんだろう。
そうでないと、トップくん自身も周囲も危なくて仕方ない。
でもそれを突き止めるために、トップくんがどれだけ骨を折った(←比喩表現ではない)かと思うとな……。
そもそも、成長期の子があんなに骨を折って大丈夫なのか? 成長期でなくてもダメだと思うんだけど。
でもトップくんは、自分が死なせたり傷つけたりした人たちのことを想えば、この程度のこといくらでも耐えられる、とか本気で思ってそうでイヤだな。
それにしても「不停止」は元々、陸上選手としての素地があるトップくんだからまだなんとかなってるけど、普通の人は使いこなせそうにない。
てか、これまで出てきた否定能力の中でもトップクラスに使いにくくない?
加速したいなら止まれ、とかわけわからん。
それが否定能力というものだ、と言われたらそれまでだけど。
ジュイスさんはトップくんをユニオンに勧誘しなかった。
走りさえしなければ、トップくんの能力は発動しない。それならまだ普通に生活できる。
事故のせいで走れなくなった、と言えば周囲も納得してくれるから問題ない。
だから、トップくんに状況だけ理解してもらって、家族との生活に戻って欲しかったんだろう。
友達が死んだ件、トップくんは何も悪くない。
ただちょっとやさしすぎて、友達との約束を破ってしまっただけだ。
でも、トップくんは、あの時、自分が足を止めなければ、と後悔し続けるんだろう。
そして、そのことを誰にも謝ることができない。
その事実はユニオンによって隠蔽されてしまっているから。
ならばトップくんにできることは、その根本原因である「神」に反逆することだけ、か。
トップくんは今、ユニオン本部で暮らしてるんだろうけど、母親はどうしているんだろう。
記憶を改ざんされて、息子は陸上選手になるために海外留学してる、とかになってるのならいいな。
それならちょくちょく連絡もしあえるだろうし。
ジュイスさんとニコが車に乗ってるけど、誰もハンドル握ってないのおもしろかった。
よくみるとニコの頭からコードが出てるのでニコが脳波で運転してるんだな。
ジュイスさんは「欠員を埋めたいのは山々だが…」と言ってるから、元々、一席空いていた→トップくんで補填→ボイド死亡→風子ちゃんで補填→ジーナさん死亡→アンディで補填、という流れか。
つまり、トップくんがこの時に加入しなければジーナさん死なずにすんだ?
でも、アンディと風子ちゃんが入るまでにクエストを一度くらいはこなしてると思うから、トップくんが入ってくれてなかったらそれはそれでかなり困ったことになってたのか。
ラストのコマで強化スーツっぽいのを身にまとってるけど、あれ、クロちゃん登場回で着ようとしてたやつかな。
走ってどこかにぶつかったとしても、衝撃を吸収して骨とかを折らないようにしてくれるやつなのかな、と想像。
肉体を固定して、骨がぼろぼろになっても外見が変形しないようにする、とかおそろしい想像もできるけど。
考えてみれば、走ってぶつかって友達を死なせてしまったトップくんにとって、たとえ相手がクリードであっても、人間に自分の意志でぶつかっていく、というのはものすごく覚悟のいることなんじゃないかな。
前回の「やるっきゃねーのか…」はそういう躊躇を含んだ言葉だったのかも。
止まろうとしたことで友達を失ったトップくんが、止まらないことで友達のチカラくんを救おうとしている。
めっちゃ熱い展開!
ここで次号は『ジャンプ』表紙&巻頭カラーだそうですよ!
周年とかそういう名目なくって巻頭ってうれしい! めっちゃうれしい!
なんかこう……ホッとするよね。
そしてサブタイトルは「On your mark(位置について)」。競技でスタート直前にかけられる言葉か……。
トップくんはブラジル出身でフルネームはトップ=ブル=スパークス。「ストッパブル」が全部入りした名前なのね。
「1位は4年後のオリンピックに出られる!! かもしれない」と言っていて、アンディと風子ちゃんがユニオン入りしたのは2020年のオリンピックイヤー(現実では延期されたけど)。
なので、トップくんがユニオン入りしたのは2016年? ってなったんだけど、このトップくん、今とあんまり変わってないから、トップくんも2020年加入なんだろうね。
ユニオン歴短いわりに覚悟決まってるな、って思ったけど、最後まで読んでそうなったことに納得いった。
元々、足が速く、陸上競技で成り上がって貧困から抜け出すことを夢見ていたトップくん。
でも、同じ夢を追いかける友達もいるし、やさしくておおらかな母親もいるしで、そんなに不幸な生活だとは感じていなかったんじゃないかな。
でも、母親に豊かな暮らしをさせてあげたい、という想いはあったんだろう
トップくんは自分が稼いだお金で母親だけじゃなく、友達たちも共に救いたいと考えていたけれど、友人たちはそれはダメだという。
自分の金は自分のために使え、と。
本当にいい子たちだなあ。
トップくんの母親も、自分の食費けずってでも息子に良いものを食べさせたい、と考えるいい人。
でも嘘をつききれないとこがかわいいなあ。
ところで「ガレット」といいつつチキンが出てきて、なんで? ってなったんだけど、ガレットってそば粉でつくった薄いピザっぽいやつのことだと思ってたら、ネットで「ブラジル風ローストチキン ガレット」というレシピをみつけ、ほえ~ってなった次第。
自分ちも貧乏ではあるけれど、友達の家庭の方がもっと困窮していると知っているから、走ることで稼げる道を友達に譲ろうとしたトップくん。
母親はそれを「いいよ…それでトップが笑って生きてくれるなら」と容認した。
母親の望みは、息子が笑って生きてくれることだったんだよね。
それがな……。
以前、トップくんが車いすの男の子にすがって泣いてる絵が回想で描かれていて、「不停止」の発動で家族か友達を巻き込んじゃって歩けなくしちゃったのかな、って思ってたんだけど、実際は友達ふたりを死なせて、ひとりは歩けなくさせてたか……。
歩けなくさせた、がまだマシなレベルだったとは……これはひどい。
ジュイスさんとニコが言わなかっただけで、他に巻き込まれた人もいたのかもしれない。
「急にレーンに車が突っ込んできたって…」って、競技場内を車が爆走ってどういう状況だよ、って思うんだけど、子供が走ってぶつかっただけでこんな大惨事に、よりはまだ信ぴょう性があるのは確かだ。
めずらしくニコがちゃんとスーツ着て、普通に立って歩いてる。
まあ、さすがにそれくらいのTPOはわきまえているか。
ニコはなんにも悪くないのに、ペドロとミゲルを救えなかったことを「すまない」と詫びるんだな。
ニコはたまにフィルくんをかまってたりするし、なんだかんだで子供にはやさしい。
大人にもやさしいかもしれない。「不死」には厳しいけど。
「不停止」って、やたら速く走れる、ただし、「体の形状が著しく変化しないと止まる事が許されない」能力ということになっていたんだけど、さらに細かい条件が出てきた。
「一定の速度を出し、止まろうとするとそれを否定し倍以上の力で押し出される」か。
「停止」を否定されることで速く走れるってどういうこと? って思ってたんだけど、そういう理屈か。否定すればするほど止まることが困難になるってことね。
「不停止」は止まろうとすることを否定する。
一定の速度を出さなければ発動しないので、歩くのは問題ない。
ただし、その速度を超えてしまうと、肉体を変形させる(=骨を折る)まで止まれない。
止まろうとするたびに加速が重ねがけされる。
つまり加速はできるけど減速はできない。トップくんの言う「リセット」しか止まる方法がない。
はじめて発動した時はここらへんがわかってないわけだから、わけがわかんないまま止まらなきゃとあせって余計に加速しちゃって大惨事になったんだろうな。
経験したことのない速度で走ったら体勢もコントロールできないだろうし、それでむやみに蛇行して、それがまた余計に犠牲者を増やしたのかもしれん。
ロンギングで風子ちゃんのまわりをぐるぐる走り回ってた時は、止まろうとしなかったから速度を保っていたのね。
この「止まろうとする」は気持ちの問題ではなく「足を止める」というアクションで判定されるのかな。
多分、ニコの元で、どれくらいの速度までなら発動しないか、どういうアクションが「止まろうとした」と判定されるか、みたいなことは調べているんだろう。
そうでないと、トップくん自身も周囲も危なくて仕方ない。
でもそれを突き止めるために、トップくんがどれだけ骨を折った(←比喩表現ではない)かと思うとな……。
そもそも、成長期の子があんなに骨を折って大丈夫なのか? 成長期でなくてもダメだと思うんだけど。
でもトップくんは、自分が死なせたり傷つけたりした人たちのことを想えば、この程度のこといくらでも耐えられる、とか本気で思ってそうでイヤだな。
それにしても「不停止」は元々、陸上選手としての素地があるトップくんだからまだなんとかなってるけど、普通の人は使いこなせそうにない。
てか、これまで出てきた否定能力の中でもトップクラスに使いにくくない?
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それが否定能力というものだ、と言われたらそれまでだけど。
ジュイスさんはトップくんをユニオンに勧誘しなかった。
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事故のせいで走れなくなった、と言えば周囲も納得してくれるから問題ない。
だから、トップくんに状況だけ理解してもらって、家族との生活に戻って欲しかったんだろう。
友達が死んだ件、トップくんは何も悪くない。
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でも、トップくんは、あの時、自分が足を止めなければ、と後悔し続けるんだろう。
そして、そのことを誰にも謝ることができない。
その事実はユニオンによって隠蔽されてしまっているから。
ならばトップくんにできることは、その根本原因である「神」に反逆することだけ、か。
トップくんは今、ユニオン本部で暮らしてるんだろうけど、母親はどうしているんだろう。
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それならちょくちょく連絡もしあえるだろうし。
ジュイスさんとニコが車に乗ってるけど、誰もハンドル握ってないのおもしろかった。
よくみるとニコの頭からコードが出てるのでニコが脳波で運転してるんだな。
ジュイスさんは「欠員を埋めたいのは山々だが…」と言ってるから、元々、一席空いていた→トップくんで補填→ボイド死亡→風子ちゃんで補填→ジーナさん死亡→アンディで補填、という流れか。
つまり、トップくんがこの時に加入しなければジーナさん死なずにすんだ?
でも、アンディと風子ちゃんが入るまでにクエストを一度くらいはこなしてると思うから、トップくんが入ってくれてなかったらそれはそれでかなり困ったことになってたのか。
ラストのコマで強化スーツっぽいのを身にまとってるけど、あれ、クロちゃん登場回で着ようとしてたやつかな。
走ってどこかにぶつかったとしても、衝撃を吸収して骨とかを折らないようにしてくれるやつなのかな、と想像。
肉体を固定して、骨がぼろぼろになっても外見が変形しないようにする、とかおそろしい想像もできるけど。
考えてみれば、走ってぶつかって友達を死なせてしまったトップくんにとって、たとえ相手がクリードであっても、人間に自分の意志でぶつかっていく、というのはものすごく覚悟のいることなんじゃないかな。
前回の「やるっきゃねーのか…」はそういう躊躇を含んだ言葉だったのかも。
止まろうとしたことで友達を失ったトップくんが、止まらないことで友達のチカラくんを救おうとしている。
めっちゃ熱い展開!
ここで次号は『ジャンプ』表紙&巻頭カラーだそうですよ!
周年とかそういう名目なくって巻頭ってうれしい! めっちゃうれしい!
なんかこう……ホッとするよね。