『逃げ上手の若君』(第31話 生きたがり1334) 感想

保科軍は非戦闘員たちの安全を確保し、撤退戦の仕上げ段階に突入。
その中でもっとも危険な殿に時行は参加。

「ここまで来て、私だけ追われる恐怖を味わわないなど…」
時行の心意気に感動して涙を流す保科だけど、時行の眼はきらっきらしている。
そうだね。殿って最高難易度の「逃げ」だもんね。
そりゃもう興奮するよね!
いや、こんな場面で頬を紅潮させるなよ。かわいいじゃないか。


ところで退却を急がされてるのにサクサクをやめない門番さん、なんなの?
「はーい」って軽く答えながらサクサクのスピードあげてるっぽいのがなんともホラー。


殿をつとめる時行が妙に色気があってステキすぎる。
逃げに自信もってるから、あのシュラバでまったく怖気づいていないんだよね。
弓は得意分野だから戦う姿が様になってるし。
敵は勝ち戦で死にたくなくて及び腰なので、わざわざ刀で突っ込んでこないから、時行的にはわりと安全な戦いなんだろうね。

こんな小さくてかわいい子が、もっとも危険な場所で生き生きと動いていたら、そりゃあ注目を浴びるよなあ。

これにより時行の株が爆上げ。のちの大乱への布石となるわけか。


一方、吹雪は単騎駆けで国司に突っ込んでいき、きれいに軍配と烏帽子と髷を切り落とした。
この二刀をふるうとこのフォームがめっちゃ美しいな。

あんなギリギリのところを刀がかすめていったら、そりゃあビビる。
あと、烏帽子と髷を落とされるって、かなり屈辱的なことなんじゃ……。

明らかに、殺そうと思えば殺せたのに殺さなかったな、と思ったら、パニックに陥った国司がめちゃくちゃな命令を出して国司軍を混乱させることを狙ったのか。
なるほど、殺していたら市河に指揮権が委譲されて、保科の退却を困難にしていたんだろうね。
保科軍の偽装工作を見抜いてた(聴きぬいていた?)し、すかさず自分が動かせる兵を動かして、あんな状況でもやれるだけのことはやってるあたり、市河はやっぱりできる武士だ。


時行が殿をつとめ、弧次郎が大物を倒し、吹雪が敵の追撃を押しとどめた。
逃若党、大活躍!

どうせ恩賞だせないだろうから米丸の首をとらなかった、というあたり、弧次郎は本当に気が利くな。
まあ、生活に困ってるわけじゃないし、これで保科に恩を売れれば、それは時行の益になるもんね。
弧次郎が米丸を仕留めたという話はあのオッサンたちがふれまわってくれるだろうから、証拠がなくても逃若党の手柄が消えることにはならないだろう。


負け戦だったけど、勝ったかのような皆の笑顔。
これが、時行が欲しかったものなんだよね。
そして、「逃げ延びる」こと「生き延びる」ことの価値を保科も認めた。

時行に頭を下げる保科党の連中の中で、四宮がウィンクしてるのかわいい。


逃若党が実際の戦でどれだけ活躍できるかが描かれた本編だけど、ここからどう展開するんだろうね。
今回、除外された亜也子と雫のターンになるのかな。

大乱を描くのはもう少し先になりそう。
ていうか、大乱は……覚悟が……覚悟がいります……。