『呪術廻戦』(第159話 裁き) 感想(正義は呪いに転じる)

前回、100ポイント超えでリストアップされていたプレイヤー・日車寛見の過去。
元々、弁護士だった彼は正義を求めて戦っていた。

「正義の女神は法の下の平等のために目を塞ぎ」と言い、「私だけは目を開けていたい」と言った彼の式神(?)がまぶたを縫われて閉じている、というのがなんとも皮肉だ。

判決を言い渡された時、大江が日車をにらんだのは、どうせこんなことになるのなら、希望を持たせないで欲しかった、ということなのかもしれない。
大江には日車がどれほど力を尽くしたかは見えないから、一審で弁護士としての点数を稼げたから二審で手を抜いた、と疑われたのかもしれない。
いずれにせよ、自分は恵まれてない、信じてもらえない、と感じている人が、他人を信じることは容易ではないんだろうと思う。

おそらく彼は、あの場にいた人たちを犠牲にしてしまったんだろう。
「自分がおかしいと感じたこと」を通すために、おかしなことをしてなかった人たちも巻き添えにした可能性が高い。
文句を言いながらも一緒に動いてくれてた清水さんまで巻き込んでいたのなら悲惨だな……。

あの場で誰も死なせずに済んでたとしても、102ポイントとってるんだから、少なくとも22人を殺してることは確実。

正義はいきすぎると悪にもなる。
日車の場合はそれが呪いになった、ということなんだろう。

芥見先生はこういうウェットな話がうますぎてエグイ。


虎杖は自分は正義ではないと思っているし、生き延びるべきではないと思っている。
そんな虎杖がこういうバックボーンをもった人とどう対峙するか、興味深いな、と思ったんだけど、虎杖は東京第2で登録されていて、日車は東京第1だからかち合うことはないのか?
秤先輩かパンダ先輩とぶつかるのか?