『逃げ上手の若君』(第83話 認識1335) 感想

弧次郎に斬られた渋川を、なんとか助けようとする斯波。
しかし、それを許さない頼重。
頼重の方が一枚上手なのは仕方ない。
経験値が違いすぎるし、頼重は準備に時間をかけてきてるから、いろいろなパターンを事前に想定して対応策を用意してたんじゃないかな。


部下にひきずられるようにして退却する斯波がちょっとかわいそうだった。
「せめて渋川殿を救出だ!」ってのは、戦を続けるのに渋川が必要、というだけじゃないんだろうな。
泣きながら渋川の救出を訴える斯波に、岩松と石塔の敗北の報が届く。

斯波が完全に壊れた……。
庇番の中から三人も強い武士を引き連れて、自信満々で鎌倉を出たのにこれだもんな……。


「正義も武士も放り出し 童との勝負で満ち足りてしまう程の小者なのです」
渋川が本当に満ち足りていた顔をしていた。
遺してしまった家族のことを考えれば、心残りはない、なんてことはないだろうけど、それでも直義のことを信じてるから大丈夫と思ってそう。


時行が乱を起こしたことは京の都にも伝わる。
道誉が描いた時行、絶妙に似ててうまいな。
楠木正成も魅摩ちゃんも似顔絵が時行だってわかったし。

二年前の鎌倉で挨拶した程度の子供の顔をちゃんと覚えてるのもスゴイ。


時行の素性を知った魅摩ちゃんが「ふーん あっそ」ってすごい顔で言ってるけど、これ完全に時行をロックオンしたよね。
時行たちにだまされた、というよりは、おもしろいことになったな、って感じ?

京にいる魅摩ちゃんが鎌倉攻防戦に関わることはないと思うので、中先代の乱の後の物語もすでに構想に入ってるのかな。


尊氏の記憶の解像度があがっていって時行を認識する、という演出がおもしろい。
時行のことを覚えてないとかひどすぎる、って思ってたけど、尊氏は一応いろいろ記憶はしてるんだけど、どうでもいい記憶は解像度をさげてアーカイブしてるって感じ?
まあ、どうでもいい記憶にされてるだけでも、結構ひどいけどな。


ついに尊氏に認識された時行。
ようやく時行と尊氏の戦いがはじまった。