『逃げ上手の若君』(第89話 瑪瑙1335) 感想

弧次郎VS長尾は弧次郎が押され気味。
長尾はドーピング効果だけで強いわけじゃないんだろうね、きっと。

それをみた保科が長尾の相手を買って出る。
弧次郎、若干、ムキになってたけど、簡単にいなされたな。
ちゃんと説明してくれる保科と四宮がやさしいけど、話せばわかってくれる子だ、と信頼してもらえてるってことでもあると思うんだ。
そして、やっぱり保科はしっかり強い。

「まだ主君をお前一人で背負い込むな」か。
「まだ」というのは、いつかは一人でも背負えるようになる、というエールなんじゃないかな。


一方、時行とダービーをしている今川。
「瑪瑙」は大枚はたいて手に入れた愛馬だった。
で、10年も連れ添ったけれど、射殺されてしまったと……。
まあ、戦場に連れて行くんだから、いつかはそうなるよね。

瑪瑙を駆る今川の顔が、めっちゃ無邪気で幸せそう。

今川は瑪瑙の子供はつくらなかったのかな。
瑪瑙を愛しすぎてて、子供をつくって代替わりさせる、という発想はでなかったのかも。
繁殖させてはみたけど、気に入る馬が産まれなかった可能性もあるけど。


白装束で愛馬のお墓の前に座り込んで、自殺未遂を繰り返すとか、郎党たちは困っただろうな。
そこに現れたのが直義。

駄馬を限界まで使いつぶして一瞬だけ瑪瑙にする、とかどういう発想だよ。
でも、今川はそれで納得したんだな。
ほんのちょっとでも可能性があるのなら、それにすがるしかなかったんだろうけど。

それにしても、直義は本当に怖いな。
で、兄の尊氏はそれ以上に怖い、と。


お馬さん、限界まで走らされたうえに、頭に穴あけられて脳をすすられるとか、かわいそうにもほどがある。
それで生き残っても、今川の食事にされちゃうし。


猛攻で馬からはじきとばされた時行を、突こうとする今川。
ここの見開きの絵がすんごいな。
特に、突きあげる今川と、落ちている時行のコマが斜めに並行してるとこがすんごく怖くて良い。


またひらがなしか喋らなくなった今川の、涎と涙。
そこに突っ込んできた吹雪の鬼気迫る表情。

瑪瑙を失ってしまった今川と、時行を失いたくない吹雪の戦いになるのか……。